いつもこのブログを訪れていただきまして、ありがとうございます。
　本日朝は程よい曇り空、田植えの準備が進んでいる田んぼで一仕事してまいりました。

　このブログでも以前お話させて頂いたことがあったと思いますが、田圃へ行くにはジャングルのような林を通っていきます。

　幾分人の手が入っているとはいえ、我が家の周辺の林、アビアン Abian は、ほぼジャングル状態です。大きな根っこがはしごのようになっている約２mほどの段差のある場所や、獣道が踏み固められたような小さな小道を歩いて林と田んぼの境目まで歩いていきます。
　田んぼや畑の仕事が忙しくなる時期に合わせて、道具や収穫した作物、畑を片付けた後の唐辛子の枝などをたくさん持っている状態でも歩きやすいように、林の持ち主さん達が滑りやすい土の道を階段状にならしておいてくれたりもして、こういったところにちょっとした季節感を感じます。

　我が家の周辺は、自宅周辺ほぼ１００m四方ほどにわたって、親類家族が集まってすんでおります。１００m四方の周囲も、縁戚関係があったり、バンジャール Banjar の関係があったり、仕事や商売のつながりがあったり、というような昔ながらの深い人間関係と切っても切り離せない村の関係の中での生活となります。
　田んぼも同様に、家族親類の田んぼが並んでいます。ですので、田んぼへ行くときに通っていく林も親類の方の林となりますし、林を抜けて視界が開けると、ライステラスでは、やはり近縁や親類の方々の田んぼを通り過ぎながら、自分の田んぼへと向かっていきます。

　「今日はメトゥーも田んぼ？」「片付けの手伝いです。あと、写真も」「はいはい、どうぞ〜」
　親類のおじさんとおばさんご夫妻です。

　田んぼが作られた場所にもよりますが、ライステラスというものは、意外と一段一段の段差が大きなものなのだ、ということは、自分が初めて田んぼに来てみてからわかりました。
　こちらの田んぼも下の段から上の段まで、一段が約100〜130cmくらいあります。田んぼを上へ下へと移動するだけでも、結構な仕事になりますね。

　我が家の離れから田んぼまで、ジャングルを通って約１０分弱、私の田んぼが見えてきました。
　ここからは下り道です。写真真ん中ほどの田んぼを目指して、ところどころ石の出た滑りやすい道をおりなくてはなりません。
　ほかにも田んぼへ通じる道がないことはないのですが、この道が一番の近道です。ここを通るたびに、ヤギになりたい、と思ってしまいます。

　転ばないで無事到着、田んぼの神様、ありがとうございました。こちらは田んぼの祠。

　主人は早速田んぼを眺めて、本日の仕事の目安を考えているようです。

　その文化にとって、そのものやことが重要であればあるほど、細分化された名前が付けられている、といいますが、田んぼの仕事一つ一つにも、細かい名前が付けられております。

　例えば、これは主人が田んぼの畦のきわを作っている様子ですが、これをニンカシンNyingkasing というそうです。ニンカシンとは、背の低い畦の際を削って田んぼのふちを作る作業のことです。畦がもう少し高さのある場合には、ナンパディン Nampading という言葉で呼ばれます。
　ちなみに泥を盛って畦を盛り上げる作業は、ムンドゥキン Munduking というそうです。

　こちらは稲の苗、順調に育っております。
　
　「社長（田んぼではニョマンさんが社長です）、今日は私は何をすればいいですか？」「このクブ Kubu の草をきれいにして」「これですか？」「そうです」「草、、草いっぱいですけど、どのくらいきれいにすればよいですか」「草が無いようにしてください」
　
　草がないように、と言われても、草ばっかりしか見えませんが、ではとにかくやってみましょう。

　と、いうことで約２時間弱、クブの周辺の草刈りをしました。
　まあまあきれいになりましたよ。


　途中、畑でカチャンパンジャン Kacang Panjan を作っていたときに使っていた支えの竹棒の山が崩れそうになりまして、私は下敷きになってしまうのではないか、と焦りました。
　時計を見るとまだ１０時１５分くらいでしたが、午後の鑑定に合わせて、本日の田んぼ仕事はこれまで。手と足を水路で洗って、来た道をかえりました。

　ただいま我が家の田んぼの周辺では、稲の苗を育て、田植えの時期を待ながら、耕耘機を入れるまでに手作業で草刈りをして、鍬である程度田んぼをならしておく、という作業を中心に行っております。　そうでないと、耕耘機が入ったときに、蔓草が巻き付いてしまったり、十分な深さまで土に水が行き渡らず、むらになってしまうのだそうです。
　手間をかけているように見えますが、一手間が後の収穫につながるのですね。
　今年も豊作になるとよいですね。
　
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